「貸し倒れない為の売掛金回収テクニック」
Vol.1 キャッシュフローを直撃する売掛金未回収に要注意
今回は、「売掛債権」という一見難解な用語が事業の中ではどれほど一普通の事象であるかという認識を持っていただくためのプロローグです。この事象が事業のキャッシュフローをどれだけ悪化させるかを見ていきましょう。
債権の未回収は「よくあること」 事業を行うなかで、売掛金の未回収という問題はどうしても発生してきます。これは自分が行っている事業のなかでは「たまたま発生した事象」かもしれませんが、世間では「よくあること」なのです。そう、例えはよくありませんが交通事故と同じことなのです。
しかしながら、この売掛金の未回収部分については放置されることが多いのが現実です。打つ手がわからない、時間がない、専門家に頼むと高くつくというのが主な理由でしょうか。
「よくあること」という認識の上に、常日頃からいつでも起こりうるものだという心構えをしておくことは有意義です。取り引きに際してはリスクを感じながら契約することができるからです。
私からは、こういった事態に陥らないためにという側面と、実際に売掛金が未回収に陥ったときにはどうするかといった側面からのお話をしたい思っています。
なぜ未回収が発生するのか
1.支払いを忘れている
2.理由はないが支払わない
3.小額なので支払わなくてもよいと考えている
4.クレームなど合理的な理由があって支払わない
5.資金繰りによる理由のため支払わない
この5つくらいのパターンがあります。
たとえば1.のパターンなどは会社勤めを経験されていた方には、かなり違和感があるかもしれませんが、相手もバタバタしているのでしょう。こういうことが本当にあるのです。
立ち上げ直後の会社は、相手もそれほど大きな会社でないことも多いと思います。実際には、お互いに社長一人というケースも多いかもしれません。1.などはその典型です。
私の場合ですと、顧客に請求したはずのお金が翌月末日になっても入ってきませんでした。お客様に催促するのも気が引けるので少し待っていたのですが、さすがに3カ月もたった頃に連絡を入れますと「請求書を紛失したようでして、再発行お願いできませんか」などという返事が返ってきたのです。
もちろん、このような場合はさほど大きな問題になりませんが、入金が滞れば連絡の一本でも入れるほうがよいということが判明しましたし、なにより小さい事例で未入金のリスクを認識できたことは有意でした。今でもときどきですが「あ、忘れてます」とお客様にいわれることがあります。
事業者として いつも順調に支払をしてくれる人ばかりでありません。事業を行う者としては、常に債権未回収の発生というリスクを頭においておく必要があります。
売掛債権未回収という事故の発生は、あなたの事業のキャッシュフローを悪化させ、事業投資の妨げとなるばかりではなく、支払いが不能になるようなことになれば取引先の信用を失い、ともすれば事業をやめてしまわなければなるような状況さえ招くかもしれません。それほど売掛金を回収する事は重要な事なのです。
仮に、あなたの事業の利益率が売上高の10%だとしてください。売掛金未回収金額が100万円だとすると単純に考えて売り上げは1000万円が追加で必要となってきます。
経費を削減することも大事ですが、もらえるはずの売掛金の未回収をなくすことも重要な施策です。今後はどのような事案が事業上で発生し、どのような方法が効果があるのか、またはないのかを実例を踏まえお伝えします。
事例集
>>Vol.1 キャッシュフローを直撃する売掛金未回収に要注意
>>Vol.2 実例に学ぶ未回収売掛金の回収プロセス
>>Vol.3 支払い督促の実情 〜 差し押さえだけでは不十分 〜
>>Vol.4 差し押さえは第三者債務者との交渉で回収する。
>>Vol.5 高級飲食店の「ツケ」文化から学ぶ契約の必要性
>>Vol.6 「滞留債権が発生した原因を追え」
>>Vol.7 架空取引に気をつけろ。信用調査のススメ
>>Vol.8 時効を認めさせずに全額回収へ
>>Vol.9 甘い話に気をつけろ!!出資と貸付をめぐるトラブル
>>Vol.10 "親しい仲"が悲惨な結果を招いた事例
>>Vol.11 貸し倒れにならないための3つのポイント
>>Vol.12 安易な手形受け取りが思わぬ自体に
