「貸し倒れない為の売掛金回収テクニック」
Vol.2 実例に学ぶ未回収売掛金の回収プロセス
実際に債権の未回収という事象に遭遇してしまった事例をご紹介します。逆にどうすればこのようなことが防げたのかを同時に考えてみてください。
実際にこのように未回収は発生する! では、実際に未回収が発生するタイミングをお話しましょう。大げさに書きましたが、大したことはありません。
よくあるケースでは、請求後何カ月たっても入金がないということから始まります。ある時点で未回収だと認識する程度です。最初から取り引きが異常だというケースもありますが、たいていは普通に納品し、請求書を送付した後に発生します。
私のクライアントは兵庫県西宮市で電気店を営んでおり、クーラーの納入時に合わせて設置工事までを行っているという形態のお店です。
この案件の依頼時には、すでに納品から1年を経過しておりました。なぜそんなに放置しているのかという理由については、Vol.1でお話したとおり、やはりどのように動いてよいかわからないということでした。
これが回収の常套手段だ!〜内容証明郵便の送達〜 売掛金の未払いを催促する際の常套手段が「内容証明郵便」の送達です。最近はテレビや各種セミナーでも有名になっておりますので、一度くらいは耳にされたことがあるかもしれませんね。
少し説明を加えますと、これは郵便局に郵便の内容とそれを確かに配達しましたということを担保してもらう方法です。このなかに売掛金が残っていること、期限以内に支払ってほしい旨の要求、支払いがないときは法的手段に出ることを記載しておきます。
「内容証明郵便」には、基本的に法的効力はありませんので、実は結構無視されることも多いです。しかし何も無意味なことをやっているのではなく、未払金の存在やこちらの意思表示を明確にする、また相手方の反応を見る上でも重要な手続なのです。
書式についてはインターネットでたくさん書式例が出てきますので、そちらを参考にしていただいて結構です。さほど特別なことは書かなくても問題はないでしょう。
実はこの手続は回収行動の始まりである! 一般の人が耳にするほど有名なこの手続きですが、実はこれで解決するケースのほうが稀です。ここでいう「解決」とは、問題なく請求した金額がそのまま回収できることをいいます。この事例についてもこれで終わったわけではなく、まだ続きがありますがこちらはまた次回にさせてください。
この手続きで意味のある点といえば、時効を中断させたり、後日の訴訟においての有力な証拠になることはもちろんですが、やはりこのような売掛債権を回収するんだというスタンスを相手方に示すことができるということです。送られる側にとっても「取りに来るんだな」という気になります。逆をいいますと、精神的な部分以外の効果以上のものは期待しにくいということにもなるのですが。
よって、もしも当事者間で話し合いが比較的穏やかに進んでいるのにこのような文書が送られてくると、送られた側は当然に感情的になり、それまでの解決に向けた努力が無に帰すということも十分にありえますので、扱いには注意が必要です。
また、世間には、売掛金に関わらず借金なども含め、借りているお金を返さない未払い常習犯的な者がいます。こういった人たちに対しては、この内容証明郵便はまったく効果がないといって過言ではありません。
事例集
>>Vol.1 キャッシュフローを直撃する売掛金未回収に要注意
>>Vol.2 実例に学ぶ未回収売掛金の回収プロセス
>>Vol.3 支払い督促の実情 〜 差し押さえだけでは不十分 〜
>>Vol.4 差し押さえは第三者債務者との交渉で回収する。
>>Vol.5 高級飲食店の「ツケ」文化から学ぶ契約の必要性
>>Vol.6 「滞留債権が発生した原因を追え」
>>Vol.7 架空取引に気をつけろ。信用調査のススメ
>>Vol.8 時効を認めさせずに全額回収へ
>>Vol.9 甘い話に気をつけろ!!出資と貸付をめぐるトラブル
>>Vol.10 "親しい仲"が悲惨な結果を招いた事例
>>Vol.11 貸し倒れにならないための3つのポイント
>>Vol.12 安易な手形受け取りが思わぬ自体に
