債権回収

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「貸し倒れない為の売掛金回収テクニック」

Vol.3 支払い督促の実情 〜 差し押さえだけでは不十分 〜

今回はいわゆる「差し押さえ」という手続きが、大変なことなのだということを知ってもらおうと思います。あなたの事業において取り引きを新たに始める相手には少し慎重になるほうがよいな、と思うきっかけとなれば幸いです。

いよいよ強制執行か さて、先日の「支払督促」の続きです。

前回の「仮執行宣言付支払督促」による送達後2週間経過すると強制執行、いわゆる「差し押さえ」が可能となります。ただし、この2週間の間にも、相手から異議申し立てがあれば、通常の訴訟に移行しますので頭に入れておいてください。

相手からは相変わらず音沙汰がありません。それはそうです。裁判所からの「仮執行宣言付支払督促」の書面一式が届かなかったのですから、相手方はそのような騒ぎになっていることを知る由はありません。

前回も書きましたが原則的には、この「支払督促」という制度は、相手方の住所が不明な場合は利用できません。今回は、相手方が最初の支払督促を受領していることから、転居に際しては裁判所にその旨を伝えておく必要があり、この相手方はその義務を怠っているため、書類が届かない場合でも手続きが続行されています。

そうこうしているうちに、2週間が経過しました。いよいよ強制執行ですね!そう思ったとき重要なことに気がつきます。

差し押さえ、よく聞きますが何を差し押さえるの? 「何を差し押さえるのか」です。

皆さんが想像されるように、執行官が家に上がり込んで冷蔵庫や箪笥などに札をぺたぺた貼っていくようなことは現実にはほとんどなされていません。生活必需品は差し押さえが禁止されているうえに、そのような物を売ってもお金にはなりません。

ではどうするか?
差し押さえの手続きでは、相手方が持っている財産や債権をこちらが調べ、それらを特定し、裁判所に差し押さえてくれるよう申し立てないとならないのです。当然その人が持っている土地や建物といった不動産はその対象となりますが、不動産には銀行などの抵当権が設定されていることが多く、ここから弁済を受けることは期待できません。この場合の債権とは、たとえば、相手がサラリーマンであれば会社からもらっている給料があります。または、その人が銀行に預金しているのであればその預金のことをいいます。

しかし、口で言うのは簡単ですが、そう簡単にはこれらの状況は調べられません。もしも付き合いの浅い関係であればどこに住んでいるのか、勤め人なのかそうではないのか、また勤め人であればどこの会社に勤めているのか。また、銀行に関しては、どこの銀行の何支店に預金があるのか。預金を差し押さえようとすると口座番号まで調べないとなりません。もちろん銀行が特定できても口座番号などという個人情報などは教えてくれません。

本当に難しいのは支払が確定してから このようなことでは債権の回収などは不可能でしょう。「やったもん勝ちやなー」(これは関西弁です。通じますかね?)と思わず捨てぜりふを吐いてしまいそうです。

実際、訴訟に勝利を得たりすることよりも、いかに回収するかの方が難しいのです。相手が破産した場合、夜逃げして居所が不明になった場合、回収できる可能性は非常に低くなります。差し押さえられる財産がまったくない場合もあります。「ない袖は振れぬ」。確かにことわざの通りないところからは何も得られないのです。

しかし、この世のなか収入がなく生活している方は少ないはずです。保証人となってくれる人がいるかもしれません。ここは根気強く調べてみるほうがよいですね。ちなみに今回のケースでは、相手方は個人事業主という形で仕事をしている方でした。いろいろ迷った挙句、クライアントと話し合うことを決意しました。

この続きは次回にいたしましょう。

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