債権回収

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「貸し倒れない為の売掛金回収テクニック」

Vol.5 高級飲食店の「ツケ」文化から学ぶ契約の必要性

今回は、契約書が交わされることの少ない飲食店での事件です。取引内容や取り引きの相手方が不明確でありますと、非常に悲惨な結論となります。今回ご紹介するような飲食店に限らず、口約束で取り引きが進むことが何かと多いのですが、その危険性をよく知っておきましょう。今回は特異なケースですが知っておいてください。

風習ですものね。 とある高級飲み屋街のなかのお店での話です。いわゆる「ツケ」でお酒を飲ませるという形の中で起こった事件です。

そうですよね。飲み屋さんで現金を支払わないから契約書を交わしましょう、なんてことは起こりえませんね。

余談ですが、飲み屋で自分の顔で酒を飲めること、または飲ませることというのは、飲むほうも飲ませるほうもそれなりのステータスなのかもしれません。「クレジットで支払ってほしい」という店の要求に対し、「そんな店では飲めないよ」ということもあったようです。一般人の私には理解しかねるお話ですけど。

しかし、ここが問題です。未回収が発生したときにどうするのか。

このようなお店では実際にはもう未回収になっているものがたくさんあるはずです。私はこの案件を通してそれをよく理解することができました。

飲み屋に限らず、契約をしっかりしないで仕事に取り掛かることは多いと思います。そういう形で仕事をされる方には確実に当てはまると思われる事例です。

「信用」とは ある知人を通して、この店の主人と接するようになりました。

実は、飲み屋街のクラブなどという形のお店ではお客様を担当する従業員が、お客様のツケが滞ったときにはこれを肩代わりするという特殊な習慣があるのですが、今回はお店の帳簿に直接売掛金が残っているというケースでした。

では、いったいどのような人にいくらくらい飲ませたのでしょう。仕事に取り掛かるとき、クライアントにヒアリングする一般的な事項です。

 ○○さんに200万円、□□さんに80万円……

 恐ろしいくらいの額をツケで飲ませています。

よく店に来てくれるから(顔見知りだから)という理由でいつか支払ってくれるだろうという感覚でいたようです。不思議と顔をよく見る人には信頼感が出てくるのでしょうか店に来てくれているうちは強い催促はしていなかったようです。

ある日気づけばその人たちは長い間お店に来てくれず、もしかしたら踏み倒されたのかもしれないと思うようになりました。

この信頼感も砂上の楼閣であることは後になってわかるものです。顔をよく見るイコール素性をよく知っている人ではないのです。

「信用調査」 本稿以前の話にも出ていますとおり、取り引きをする前に相手がどのような会社または人物で、どれくらいの規模の売上があるのか、どういう取引先を持っているのかを調べることが重要だと記しています。これを「信用調査」といいます。この例をとってみてもこれらの情報はある程度つかんでいたほうがよいことがお分かりになるでしょう。取引前には、相手方に関してこれらの情報をとる習慣をつけておきましょう。

今回のケースが特殊なのは、飲み屋さんであることです。普通の飲食店では食べた後レジで清算を済ませることが多いでしょう。だからこのような業種で売掛債権の未払いということは発生しません。勝手な私見ですが、飲食店は「ツケ」という形が適していない業種なのかもしれません。

続きは次回とさせてください。

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